旧札・古紙幣をお持ちの方は少なくありません。実際に過去に通貨として流通していたお金ですので、自宅の蔵に眠っているケースや、紙幣が刷新されたタイミングで記念に手元に置いておく方もいらっしゃいます。
旧札・古紙幣は、製造年代が新しい場合には基本的に額面程度の価値であることが多いのですが、中にはいくつかの条件が揃うと、コレクターからの需要が高まり額面以上、ときに数万~数十万円といった価格で取引されることもあります。また今は通貨としての価値を持たない古紙幣の場合には、高額査定となるお宝紙幣も数多く存在します。
とはいえ、延べ50以上の種類が発行されてきた旧札ですので、素人目にはどのような旧札・古紙幣に価値があるのかを判別するのは難しいと言えます。
そこで今回は、旧札・古紙幣の価値について、代表的な種類を紹介しつつ、価値・売却した場合の買取相場について解説していきます。
旧札・古紙幣とは?価値はある?
まず初めに旧札・古紙幣の基本情報をご紹介します。
旧札・旧紙幣とは一般的に、明治時代以降に発行され流通した紙幣を指します。2020年までに発行された53種類の紙幣から、現在発行されている4種類(福沢諭吉新1万円札・樋口一葉5千円札・野口英世千円札・首里城2千円札)を除いた49種類の紙幣が旧札・旧紙幣と呼ばれています。またその内、現在も使用可能な22種類は、額面通りの価値を持っており、使用・換金・両替が可能です。
一方、古紙幣とはお金としての価値がなく、現在は使用できない紙幣を指します。江戸時代に幕府や政府の発行した藩札、県札をはじめ、明治時代の軍用手票や明治通宝、旧国立銀行券などは古紙幣に該当します。
旧札・古紙幣は現在も使用可能?
基本的に、以下のように理解するのが良いでしょう。
- 旧札・旧紙幣=一部のみ現在も使用・換金ともに可能
- 古紙幣=使用・換金ともに不可能
先述しましたが、これまでに発行された旧札・旧紙幣、53種類の内、2020年時点22種類が使用可能となっています。残りの31種類はお金の価値を失っているため、銀行での換金もできなくなっています。お手持ちの貨幣が有効かどうかはぜひ下記の日本銀行のサイトでもご確認ください。
参照:日本銀行「これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか? 古いお札を持っていますが、現在も使えますか?」
また、お金として使用可能な22種類の旧紙幣であれば金融機関にて現行の貨幣に交換してもらうことができます。
しかし旧紙幣の中には、額面以上、いわゆるプレミアの価値を持つものも存在するため、場合によっては等価での換金では損をすることもあります。(貨幣としての価値が失効した古紙幣は換金不可能です。)
それでは、銀行での換金・両替以外にはどのような方法で現金化すれば良いのでしょうか?
旧札・旧紙幣を銀行での換金以外で現金化するには?
旧札・旧紙幣を銀行以外で現金化するには、ネットオークション、もしくは買取店の利用が選択肢となります。(なお、お金としての価値が失効している”古紙幣”は金融機関での換金ができないため、上記2つの方法どちらかで現金化を狙うのが良いでしょう。)
基本的にお好みの方を利用して良いでしょう。
ただし、ネットオークションはご自身で商品の情報を編集する必要がありますので、旧札・旧紙幣の価値を自身で把握していないと、買い手側に価値を理解してもらうことができず安売りしてしまうこともあります。また、オークションサイトによっては、現行紙幣の売買を禁止している場合もありますので、利用規約をしっかり読んだ上で利用しましょう。
参考:メルカリ「旧紙幣を出品したのですが、削除されてしまいました。」
当サイトでは、ネットオークションよりも買取店の利用をおすすめしています。お住いが市街地であればすぐにお店を見つけられるかと思います。
またお近くに買取業者がない場合でも、出張買取のように自宅に居ながら売却することもできます。基本的に無料で査定してもらうことができますので、「いくらになるのか価値だけ知りたい」といった場合でも利用可能です。
旧札・古紙幣の価値・買取相場
それでは本題である、旧札・古紙幣にはどの程度の価値があるのか、また買取に出した場合の買取相場についてご紹介していきます。江戸時代から順に時代を追って種類ごとに紹介していきます。
飛ばしたい方は、以下のリンクより、お手持ちの紙幣の発行された時代を選んでご覧ください。
▼江戸時代 | ▼明治時代 |
▼大正~昭和時代 | ▼軍用手票 |
江戸時代の旧札・古紙幣の価値・買取相場
江戸時代には、全国レベルで流通する紙幣は多くなく、藩(現在の都道府県)内でのみ流通していた紙幣が確認されています。和紙が使用された高級感、歴史的価値の高さなどから藩札のみを収集するコレクターもいるほどです。
有名なものでは、寛文5年に福井藩が発行した日本初の藩札(後述)をはじめ、大石内蔵助が処分した赤穂藩札、讃岐国多度津藩札の銀3分と銀2分(延享三年の通用停止と同時にほぼすべて回収・焼却処分)などはいずれも博物館級の希少性が認められます。
他にも、筑前国福岡藩遠鞍夫銭札・下総国小見川藩札(全札種)・肥前国大村藩札(全札種)・肥前国小城藩札(全札種)・肥後国宇土藩札(全札種)なども超獲得難品で、もし本物が現存していれば鑑識が可能なプロの鑑定士に見てもらう必要があります。
以下では、古銭市場でも比較的取引されることの多い藩札を中心に価値・買取相場を見ていきます。
越前福井藩札
![]() 出典:独立行政法人 国立印刷局
|
時代 | 1665年(寛文5年) |
---|---|---|
希少価値 | S | |
買取相場 | -円 | |
素材 | 紙 |
藩札の中でも初期に製造され流通した越前越前福井藩札銀十匁札。イミテーション(模造品)も多数製造されています。藩札の中でも超獲得難品で、博物館級と言えます。本物であれば数十万円~百万円以上の高額で取引されることでしょう。
換金する場合には、鑑識眼を持った鑑定士が在籍している買取業者に依頼して正確に価値を判別してもらう必要があります。状態も重要ですので、慎重に取り扱うことをおすすめします。
和歌山藩札
![]() 出典:早稲田大学レポジトリ
|
時代 | 1730年(享保十五年) |
---|---|---|
希少価値 | B | |
買取相場 | 70,000~120,000円 | |
素材 | 紙 |
デザイン性が高さが人気で、コレクターの多い和歌山藩札。こちらもコレクター間では比較的おなじみとも言える藩札ですが、歴史的価値の高さから買取でも高価格帯での査定が多くなっています。
オークションでは美品で15~20万円ほどで取引されていますので、買取店に査定を依頼した場合、状態にもよりますが、おおよそ70,000~120,000円程度が買取相場となります。
峰山藩札
![]() 出典:ヤフオク
|
時代 | 1770年(明和7年) |
---|---|---|
希少価値 | C | |
買取相場 | 3,000~30,000円 | |
素材 | 紙 |
丹後国中郡峰山(現在の京丹後市峰山町吉原)に存在した峰山藩で発行された藩札。藩札の中でも平均買取相場としては非情に高い水準にあり、発行数が少ないことによる希少性の高さが、現在の買取相場の高さにつながっています。安いものでは数千円程度、美品であれば、30,000円程度まで期待できる藩札です。
小諸藩札
![]() |
時代 | 1869年(明治2年) |
---|---|---|
希少価値 | C | |
買取相場 | 20,000~50,000円 | |
素材 | 紙 |
明治2年7月、伊那県と信濃国内14藩は二分金不通用という贋作への対策として、明治2年10月に信濃全国通用銭札を発行しました(藩札ですが、正確には明治時代の古紙幣にあたります)。信濃国内共通で通用した銭札です。上田藩、松本藩、飯田藩、松代藩などで19種類以上発行された銭札です。小諸藩が発行した藩札は発行数が少なく、希少価値の高い古紙幣となっています。買取相場としては、20,000円程度となっており、状態次第で40,000~の高額査定円期待ができます。
上田藩札
![]() |
時代 | 1869年(明治2年) |
---|---|---|
希少価値 | C | |
買取相場 | 12,000~30,000円 | |
素材 | 紙 |
小諸藩札と同じく、二分金不通用の対策として発行された上田藩札。発行間もなく新政府により通用停止令が出され回収が始まりました。回収が難航したとはいえ、発行期間が短いため現存数が少ない古紙幣です。藩札全般に言えますが、和紙で作られた高級感からファンも多く、こちらも状態次第で3万円程度の買取相場となります。
明治時代の旧札・古紙幣の価値・買取相場
通貨として紙幣の本格導入が開始された明治時代。明治新政府は貨幣制度の統一を目指す一方、幕藩時代の金銀銭貨や藩札を同時に通用させていた過渡期にあたるため、各種通貨間の交換比率が非常に複雑になり、偽造金貨・紙幣が横行するなど、通貨制度が混乱を極めた時期でもあります。
その後、明治新政府が通貨制度を統一するまでの過程で、新国立銀行券、兌換銀行券、改造紙幣、明治通宝といった様々な紙幣が発行されました。
このような歴史的な背景も相まって、明治時代の古紙幣はファンも多く、数十万円、数百万円といった価値を持つ紙幣も数多く存在します。中でも古銭市場で取引の多い代表的な種類をピックアップして、価値と買取時の相場をお伝えしていきます。
甲号兌換銀行券 裏猪十円(こうごうだかんぎんこうけん うらいのしし10えん)
![]() 出典:amazon
|
時代 | 1899年(明治32年) |
---|---|---|
希少価値 | B | |
買取相場 | 40,000~10,0000円 | |
素材 | 紙 |
表面に和気清麿と護王神社、裏に猪が意匠された図案の古紙幣です。時代背景としては、銀本位制から金本位制の過渡期にあたる1899年、同党の金銀と交換できる兌換券が発行されており、その一つが裏猪10円です。肖像の和気清麻呂が猪に難事を救われたという伝説からデザインされており、演技が良く、コレクターからも人気の紙幣です。
状態で買取相場は変動しますが、美品であれば、40,000から、折り目もないような極美品であれば10万円程度の値が付けられるでしょう。
改造兌換銀行券 分銅五円(かいぞうだかんぎんこうけん ぶんどうごえん)
![]() 出典:楽天市場
|
時代 | 1888年(明治21年) |
---|---|---|
希少価値 | A | |
買取相場 | 150,000~500,000円 | |
素材 | 紙 |
明治18年より発行された「日本銀行兌換銀券」の品質が悪いため、改良され製造されたのが、「改造兌換銀行券」で、この分銅五円はその一つです。
表面のデザインは菅原道真で、歴史上の人物としての知名度の高さもこの紙幣の人気の高さに繋がっています。
日本の古紙幣の中でも、トップクラスにコレクターからの人気の紙幣ですので、買取に出せば、数十万円の高額査定となることもあります。極美品であればさらに価格が跳ね上がることを想定されますので、ぜひ慎重に取り扱ってください。また、古銭買取業者を複数探して最も高く買い取ってくれる業者を見つけるようにしましょう。
新国立銀行券 かじや5円(しんこくりつぎんこうけん かじや5えん)
![]() 出典:楽天市場
|
時代 | 1878年(明治11年) |
---|---|---|
希少価値 | B | |
買取相場 | 100,000~600,000円 | |
素材 | 紙 |
表鍛冶屋、裏エビス図案の新国立銀行券かじや5円は、明治10年、アメリカで印刷された旧国立銀行券に代わり、日本で初めて製造・発行された洋式の紙幣となりました。なお図案の鍛冶屋は、日本が農業国から工業国へと変化することの意味が込められています。
新国立銀行券は1円と5円の2種が、153の銀行で発行されており、ともにコレクター人気の高い古紙幣となっています。
希少価値とデザイン性が買取相場を底上げしており、低くても10万円前後の買取となるでしょう。美品となれば、オークションで50~80万円程度で取引されることが多く、買取相場も50万円~といったところでしょう。
非情に価値の高い紙幣ですので、ぜひ大切に取り扱い、売却の際にはプロの鑑定士に依頼するようにしましょう。
新国立銀行券 水兵1円(しんこくりつぎんこうけん すいへい1えん)
![]() 出典:yahoo!ショッピング
|
時代 | 1878年(明治11年) |
---|---|---|
希少価値 | B | |
買取相場 | 100,000~600,000円 | |
素材 | 紙 |
表水兵、裏エビス図案の新国立銀行券水兵1円。1円と5円が発行された新国立銀行券のうちの1つです。先ほどご紹介したかじや5円は図案に鍛冶屋が使用され工業国への変貌を意味する一方、この1円札に描かれた水兵は「富国強兵」を意味しています。
かじや5円と同様に非常に人気の高い古紙幣で、兌換紙幣である旧国立銀行券から、新国立銀行券は不換紙幣であるという歴史的な価値も買取相場の高さの理由となっています。
相場としては、かじや5円と同程度で、低くても10万円前後の買取、美品となれば、50万円~といったところでしょう。
旧兌換銀行券 大黒1円(きゅうだかんぎんこうけん だいこく1えん)
![]() 出典:楽天市場
|
時代 | 1885年(明治18年) |
---|---|---|
希少価値 | B | |
買取相場 | 10,000~100,000円 | |
素材 | 紙 |
明治15年に日本銀行が設立され、その3年後の明治18年に兌換銀行券と呼ばれる最初の紙幣が発行されました。それがこの1円紙幣を含む大黒紙幣シリーズで、1円・5円・10円・100円の4種類が発行されました。
図案制作はイタリア人彫刻家エドワルド・キヨッソーネで大黒のデザインが印象的です。また偽造防止のためのマイクロ文字が採用され、全体が鮮やかな青色となっています。
1円札のみ現在も使用可能な現行紙幣となりますが、もちろん一円以上の価値を持っているので、使用・交換・両替は避け、古銭買取業者に鑑定を依頼しましょう。
状態に応じて、1~10万円程度が買取相場となっていますが、もしも新札の状態で保存されていれば、20万円超えの売却も狙うことができます。
明治通宝(めいじつうほう)
![]() 出典:wiki
|
時代 | 1872年(明治5年) |
---|---|---|
希少価値 | B | |
買取相場 | 50,000~120,000円 | |
素材 | 紙 |
明治政府が明治時代初期に発行した政府紙幣(不換紙幣)で、西洋印刷技術が用いられた初めての紙幣としても有名です。ドイツの製造工場があったことから「ゲルマン札」という別名もあります。
買取相場としては、50,000円程度に集中する傾向がありますが、状態次第で100,000円超えの査定もあります。貴重な古銭ですので、ぜひプロの査定を受けることをおすすめします。
ちなみに、10銭から100円まで9種類が発行されたのですが、50円と100円札の2枚は未だに現存が確認されておらず、もし市場に出ればまさに博物館級、数百万円以上の価値になると言われています。
改造紙幣 神功皇后1円・5円・10円(かいぞうしへい じんこうこうごう1えん・5円・10えん)
![]() 出典:wiki
|
時代 | 1881年(明治14年) |
---|---|---|
希少価値 | B | |
買取相場 | 50,000~150,000円 | |
素材 | 紙 |
改造紙幣は、明治政府によって発行された政府紙幣です。先で紹介した明治通宝は素材が劣化しやすいことや、偽造も横行したことから、改造され発行されたのが改造紙幣となります。
20銭から10円まで5種類の改造紙幣が発行され、1円以上の3種類は肖像に神功皇后が描かれました。ちなみに肖像画入りの紙幣はこの紙幣が日本初で、その歴史的価値からもコレクター人気が高まっています。
買取相場としては、50,000円付近で買取となるケースが多くなっています。また、美品で出回ることが少なく、極美品となれば、150,000~200,000円程度の査定となる可能性もあります。
大正〜昭和の旧札・古紙幣の価値・買取相場
大正三年に始まった第一次世界大戦の特需により日本経済はかつてない好景気を迎えましたが、終戦後には世界的な不況の波に飲まれ一転、大不況に陥りました。
また戦争の影響で、銀価格が高騰、銀の価格は額面を超えます。深刻な銀不足によりそれまで流通していた10銭、20銭、50銭銀貨の発行が困難となり、大正小額紙幣10銭・20銭・50銭札が補助貨幣として発行されました。
しかし、その後、銭の紙幣はそこまで民衆の生活に浸透しないまま、6年後に発行停止を迎えます。そのため大正時代の紙幣は、発行数が少なく希少性があり古銭市場で人気の紙幣となっています。中でも大正6年(最初期)に発行された紙幣は価値が高いとされ、高額で取引が行われています。
そして、昭和時代の紙幣ですが、新品の20円札のように希少価値が高く高額な紙幣が存在する一方、聖徳太子1万円札や岩倉旧500円札のような現行紙幣(現在も使用可能)の場合、基本的にぞろ目やキリ番、AA券・ZZ券といったプレミア要素が揃わない限り、額面程度が買取相場となります。
以下では、大正から昭和にかけて発行された紙幣の中から代表的な旧札・古紙幣を一つずつご紹介していきます。
大正政府紙幣 10銭(たいしょうせいふしへい 10せん)
![]() 出典:楽天市場
|
時代 | 1917年(大正6年) |
---|---|---|
希少価値 | D | |
買取相場 | 500~8,000円 | |
素材 |
大正時代に発行された横幅86mの小型紙幣です。大正6年から大正11年の間に発行され、発行年は紙幣中央に印字されています。基本的に発行年の古いものほど価値が高くなると思っていいでしょう。
また、買取相場は状態に大きく左右され、状態の良くないものであれば、1,000円程度となります。新札となれば、相場は10,000円前後に集中する傾向があります。
こちらの紙幣も一部コレクターから人気の古紙幣となりますので、売却の際は、価値の判別が可能なプロの鑑定士に依頼する必要があります。
大正兌換銀行券 大正武内5円(たいしょうだかんぎんこうけん たけのうち5えん)
![]() 出典:楽天市場
|
時代 | 1916年(大正5年) |
---|---|---|
希少価値 | D | |
買取相場 | 1,000~10,000円 | |
素材 | 紙 |
大正5年に日本銀行が発行した大正兌換銀行券5円。図案には、武内宿禰(たけのうちすくね)と、鳥取県に所在し武内宿禰を祀っている宇部神社が描かれています。コレクターの間では「白ヒゲ5円」という愛称で人気の古銭です。兌換銀行券になりますが、実際には金貨銀貨が海外に流出していた時代背景もあり、交換されることはなかったようです。
額面5円ですが、現在は使用・交換ともにできないため、売却が現金化の手段となります。
基本的に、1,000円~程度が買取相場となりますが、記番号(表面左上)の並びが珍しい場合には、10,000円以上で取引されることもあります。いずれにせよ鑑識眼のある業者に査定を依頼するようにしましょう。
政府紙幣 靖国50銭(せいふしへい やすくに50せん)
![]() 出典:wiki
|
時代 | 1942年(昭和17年) |
---|---|---|
希少価値 | E | |
買取相場 | 300~1,000円 | |
素材 | 紙 |
政府紙幣靖国50銭札は、政府が直接発行した通貨である政府紙幣です。発行は太平洋戦争下の昭和17年で、中央には靖国神社が図案されており、当時の時代背景や政治色を色濃く残したデザインとなっています。
発行数・流通量が多かったこともあり、希少価値としては価値が高いとは言えません。ただし、歴史的な背景からファンからの人気も高く、額面以上、数百円~1,000円程度が買取相場となります。
使用・換金ともに不可能ですので、不要であれば一度古銭買取業者に見てもらうのも良いですし、金額を鑑みて記念に取っておくというのも選択肢となるでしょう。
昭和政府紙幣(しょうわせいふしへい)
![]() 出典:wiki
|
時代 | 1938年(昭和13年) |
---|---|---|
希少価値 | D | |
買取相場 | 300~10,000円 | |
素材 | 紙 |
日中戦争下1938年、政府が制定した臨時通貨法の下、50銭銀貨に代わり発行されたのが50銭の昭和政府紙幣です。その後、1948年までの10年に渡り発行されました。
図案は、富士山・靖国神社・板垣退助の3種類が順に発行されています。
買取相場としては、~1,000円程度の査定が中心となりますが、一部記番号などがレアな場合に、10,000円以上の査定額となることもあります。また状態も重要で、美品で残っていることが少ないため、もしも新札の状態であれば、査定評価にさらに3,000~5,000円程度プラスに働くでしょう。
日本銀行兌換券 裏赤200円(にほんぎんこうだかんけん うらあかに200えん)
![]() 出典:amazon
|
時代 | 1927年(昭和2年) |
---|---|---|
希少価値 | A | |
買取相場 | 100,000~500,000円 | |
素材 | 紙 |
昭和に入って間もなく、昭和金融恐慌における紙幣不足の解消のため、制定・製造が行われたのがこの裏垢200円紙幣です。武内宿禰の図案が入った紙幣の中では、最も高額な紙幣となります。裏面に赤い文様が刷られていることから「裏赤(うらあか)」と呼ばれています。
なお、預金払い出しに備えて銀行に届けられたものの実際に預金者に渡ることはなく、日本銀行に死蔵されたと言われています。
とにかく発行数が少なかったことから、希少価値は古紙幣の中でもトップクラスで、大正以降では最も価値のある紙幣となります。100,000円以上で買取が行われる可能性は高いでしょう。また美品の状態であれば、500,000円以上の額で取引が行われます。
売却の際は、専門知識を有した鑑定士に査定を依頼することをおすすめします。
日本銀行券B号 岩倉旧500円
![]() 出典:wiki
|
時代 | 1951年(昭和26年) |
---|---|---|
希少価値 | D | |
買取相場 | 1,000~10,000円 | |
素材 | 紙 |
日本銀行券の500円券にはB券とC券があり、どちらも表面に岩倉具視、裏面に富士山が図案となっています。最初に作られたB券は全体的に茶色がかっていて、後から作られたC券は全体的に青みを帯びています。なお、どちらも500円として現在も使用可能で、金融機関で同額に換金することもできます。
ただし、B号券に関しては古銭市場で需要があり、額面以上の価格で買取が行われますので、使用・換金ともに避けた方が良いかもしれません。流通数が多く、買取相場としては1,000円程度ですが、新札の状態であれば10,000円付近まで価値は高まります。
またC号券であっても、記番号がレアな場合には、数千円~数万円といった額になる可能性もあるため、使用・換金する際には記番号を確認しておくことをおすすめします。
日本銀行券C号 聖徳太子1万円
![]() 出典:日本銀行
|
時代 | 1958年(昭和33年) |
---|---|---|
希少価値 | C | |
買取相場 | 10,000~500,000円 | |
素材 | 紙 |
旧札の中ではおなじみの聖徳太子1万円札。1986年まで発行されていた紙幣ですので、手に取ったことがあるという方も多いかと思います。
この一万円札は現在も使用・換金ともに可能な現行紙幣となります。
買取においては、未使用新札であれば10,000~12,000円程度で買取が行われる可能性がありますが、買取業者によってはプレミアでない限り買取不可としている場合もあります。業者に売却予定の方は、事前に電話などで買取できるかを確認してから利用するのが良いかもしれません。
なお、プレミアとなるのは、ぞろ目やキリ番などの珍番号や、エラープリントなどで、前者の珍番号であれば~10万円程度、後者のエラープリントは50万円以上の価値を持つこともあります。
以下のページでは、旧一万円札の価値・買取相場、プレミア紙幣についてより詳しく紹介していますので、気になる方はぜひご覧になってみてください。
→ 旧一万円札の価値・買取相場まとめ | 使用・交換NGのプレミアレア紙幣とは
日本銀行券A号 二宮1円(にほんぎんこうけんえーごう にのみや1円)
軍用手票の価値・買取相場
在日米軍軍票 B20円券(ざいにちべいぐんぐんひょう びーにじゅうえんけん)
在日米軍軍票 A1円券(ざいにちべいぐんぐんひょう えーいちえんけん)
日華事変軍票 乙号5円(にっかじへんぐんひょう おつごう5えん)
日華事変軍票 丙号1円(にっかじへんぐんひょう へいごう1えん)
シベリア出兵軍票(しべりあしゅっぺいぐんぴょう)
日露戦争軍票(にちろせんそうぐんぴょう)
日華事変軍票 丁号券(にっかじへんぐんぴょう ていごうけん)
旧札・古紙幣を高く売る“コツ”と“注意点”
旧札・古紙幣の価値は、希少性だけでなく“状態”も重要な要素となる
旧札・古紙幣の価値の主な判断材料になるのが、希少性と状態です。発行数・残存数が少ない紙幣は希少性が高まりその分価値も高くなります。ただし希少性に加えて状態も重要なポイントで、たとえプレミア紙幣でも状態が酷い場合には、1/10~1/100程度まで価値を落とす場合もあります。
そのため、価値の高い紙幣ほど、取り扱いには注意しましょう。
なお、一点注意が必要で、すでに汚れてしまっている紙幣は無理に綺麗にしないようにしましょう。紙幣は紙で作られていますし、古いものは製造されてから100年以上経っている場合もありかなり耐久が落ちています。無理に洗浄してかえって破ってしまったり、傷つける可能性が高いので、すでに汚れている場合はそのままの状態で査定してもらうことをおすすめします。
査定前におおよその買取相場を押さえておく
査定前にある程度の相場を押させておきましょう。ネットオークションに出す場合、買取店に査定を依頼する場合、どちらにおいても買取相場を知っておけば安売りしてしまうリスクを回避することができます。
どうしても価値を判別できない場合は、無料査定などを上手く活用して、複数業者の相見積もりなども有効と言えます・
買取業者選びは慎重に
旧紙幣・古札などの古銭は、買取業者によって買取価格が異なります。というのも、例えばですが、バイセルは軍用手票はプレミアの場合のみ査定対象ですが、福ちゃんであれば基本的にすべて査定対象となります。
買取業者によって強みが異なりますし、買取基準も異なります。ぜひ当サイトでも各買取業者の特徴や口コミ・評判をまとめていますので、お時間ある方は参考にしてみてくださいね。
まとめ
旧紙幣はお金としての価値を持っているものもありますので、額面と同額で換金してもらうことも可能です。しかし中にはコレクターも多く、額面以上のプレミアの価値を持っていることもあることがお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、旧紙幣・古紙幣は非常に種類も多いですし、そのときの状態や流通状況によっても相場が変動します。その道の専門家でないと価値を見極めるのが難しいため、現金化したい場合には、古銭買取の専門業者の利用をおすすめします。
そしてこの記事が、大切な古銭を気持ちよく、損せず、現金化・売却するための一助となれば幸いです。